中国銀行の採用は岡山県内で初の事例
司法試験の合格者増に伴う新人弁護士の就職難が指摘される中、当初の想定ほど企業内弁護士の需要が伸びていないことが一因との分析もある。
企業内弁護士の数が「10年で9倍」の一方、「想定の伸びより少ない」との指摘があることについて、日本組織内弁護士協会の片岡詳子理事長に話を聞いた。片岡理事長は、自身も企業内弁護士として働いている。
片岡弁護士は、「想定の伸び」の予測数字を把握していないので評価できない、としながらも、個人的な感想としては、自身が2001年に弁護士4年目で家電メーカーに入社した当時と比べると、「(9倍に増えた)588人という今の数字は、隔世の感があります」と話した。
また片岡弁護士は、今後も地方を含め、企業内弁護士は増えていくとみている。特に地方では、「県内の1企業が1人だけ採用してみた」という状況が多く、企業内弁護士を置くメリットが徐々に浸透している過程にあるようだ。今後、「2人目、3人目」の採用を検討する企業や「うちの会社も1人採ってみよう」という動きが出てくるのでは、というわけだ。
先に触れた中国銀行の取り組みは岡山県内では初めてで、同県内では自動車教習所のウエストジャパン興業(岡山市)も1月中旬、28歳の新人弁護士を初採用した。