「覚せい剤による自傷行為は聞かない」
薬物中毒に詳しい長崎大学の高橋正克教授(中枢薬理学)は、覚せい剤による影響については否定的だ。
「『神から命令を受けた』などと、一般的に危害を加えることはあるとされています。体内に薬が残るほどの常習者なら、服用時に幻覚、妄想が出た可能性はあります。しかし、そうだとしても、自傷行為というのはあまり聞いたことがありません。攻撃的になることはあっても、自分自身への攻撃を命令するというのは、あまり考えられませんね」
ただ、建物の高さを認識できずに、平地と同じと考え、飛び降りて死亡するようなことはあるという。また、コカインの常習者なら、皮膚の下に虫がいるとの幻覚が出て、虫を取り出そうとナイフで切ってしまうことはよく知られているともした。
もちろん、警視庁は他殺の可能性も視野に入れて捜査しているようだ。
タクシー運転手男性は、度々自宅に来ていた交際中の中年女性と、物を投げ合うなどの大ゲンカをしており、警察も女性から事情を聞いているとも報じられている。とはいえ、女性が関与している証拠などは指摘されておらず、自殺なのか事件なのか、ナゾは深まるばかりだ。