口コミサイトに「やらせ」のレビューを書き込んだりする「ステルスマーケティング」(ステマ)が問題化するなか、これを見破ることをうたったウェブサイトに注目が集まっている。「過去にレビューを書いた回数が少ない人」による高評価が多く載っている店を「やらせ」の可能性が高いとみなす仕組み。開設から1日で、ページビューは約60万に達しているという。
「8割方の投稿者が初投稿で5ばっかりついている店」は「やらせ」とみなされる
サイトの名前は「ステログ」。携帯電話向けコンテンツの作成支援サービスを提供している「クレイジーワークス」(東京都渋谷区)が2012年12月17日夕方に公開した。利用法は非常に簡単で、「食べログ」の店舗情報のURLを、「ステログ」に入力すると、「ヤラセ無し」「ヤラセかな?」「ガチヤラセ」といった具合に、「ヤラセ投稿」が行われている可能性を判定する仕組みだ。
食べログのレビューは5点満点。「ステログ」では、過去にレビューを投稿した数が少ない人が、5~4点といった高評価を付けるケースを不自然だとみており、このような人による投稿の割合が60%を超えた店について、「やらせ」の可能性があると判定している。例えば、同社の村上福之代表のツイッターによると
「8割方の投稿者が初投稿で5ばっかりついている店」
は、「やらせ」の可能性がきわめて高いとみなされる。ただし、サイトには
「ステルスマーケティングに高額なお金を払うところは、レビューの多いユーザを持っているため、判断できません。しかし、高品質なステマにお金を払うお店は、そこまでマズくないと思います」
との但し書きもある。
サイトの分析結果からは大まかな傾向はつかむことができるものの、どの程度確実に「やらせ」を見つけられるかは不明で、口コミと同様に「最終的には消費者の目で判断する」という鉄則は変わらない。
「不安定な情報に惑わされる人々をどうにかしたい」
サイトは、「おこられたら、やめます」(村上代表)と、おそるおそるスタート。「不安定な情報に惑わされる不穏な人々をどうにかしたいから」という狙いで開設されたが、ネット上で急に注目が集まり、開設後30分で3万ページビューを記録。現時点では、約60万ページビューに達しているという。
サイトには、フェースブック経由でコメントが書けるようになっており、
「信憑性がありすぎる」
「次はアマゾンのレビューも対象にして欲しい」
といった好意的な受け止めが多いようだ。
サイト公開後も、投稿されたレビューの数が15件未満の店については「判断不可」と判定するようにしたり、「ガチヤラセ」の表記を「おや!!??」に修正するなど、マイナーチェンジが進んでいる。