郵便社員が年賀状「自腹購入」 厳しい販売ノルマが原因か

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200枚が9200円で売られていた

   これに対し、郵便事業会社の広報室では、「当社としては把握していない」と実態を認めなかった。過去にも「自腹購入」などの報告は受けていないという。

「直接的なペナルティを課すノルマはなく、あくまで販売上の目標です。それも、達成しないと不利益を被ることがないようにやっています。目標は、事業財務上に必要があるので定めており、やみくもに売れということではありません」

   横浜支店のケースについては、言葉が過ぎたことは認めながらも、時給カットは、ノルマをこなさなかったからではなく、それも含めた全体評価の結果だったとしている。

   連合系で最も大きな「日本郵政グループ労組」の書記長も、取材に対し、自爆営業について「ないですね。ないと思っています」と答えた。相談例もなく確認できないといい、「過去の話ではないですか」と話した。「現場では、昨年末から販売上の目標を与えていませんよ。年賀状は普通に売れるので、それをきちっとやらせているということです」

   一方、プレイボーイ記事中の労組とは別の全労連系「郵政産業労働組合」では、今でも実態があることを書記次長が認めた。

「東京の支店なら、正社員1人7000枚、非正規社員は2000枚などと聞きます。全員が全員ではありませんが、ノルマから金券ショップやネットで年賀状を売ったりする人もいます。近畿地方のテレビでは、金券ショップに帯で巻いた新品の年賀状がたくさん積まれている映像も見ました」

   実際、年賀状を金券ショップで買ったという人は少なくない。東京・千代田区内の金券ショップでは昨年末、200枚で9200円のセットがいくつも積まれていた。正価より800円も安い。自爆営業について、会社側と連合系組合は認めないが、大量に出回っていることは事実だ。「二重価格」が広がれば、正価で購入した消費者からも疑問が出てくる可能性がある。

   全労連系労組は、自爆営業についてがなくならないとすれば、中途半端な民営化のツケが回っていると可能性があると見る。電子メールの普及などで年賀状を書く人は年々減っている中、営利企業にもかかわらず思い切った戦略転換などができないからだ。国会での郵政関連法案の審議も、政局優先から遅々として進まず、自爆営業の懸念が払拭できるめどは立たないままだ。

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