JAL植木新社長は「片岡千恵蔵」の息子 「飛行機を飛ばすという仕事が唯一の自慢だった」

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   日本航空(JAL)は2012年1月17日、臨時取締役会を開き、植木義晴専務執行役員(59)を社長に昇格させる人事を発表した。大西賢社長(56)は会長に、稲盛和夫会長(79)は名誉会長に就任する。新人事は、12年2月に開かれる臨時株主総会後の取締役会で正式決定する。

   植木氏は1975年に航空大学校を卒業し、JALに入社。35年間にわたってパイロット畑を歩み、経営破たん直後の10年2月に執行役員運航本部長に就任。会長の稲盛氏が提唱した部門別採算制度を推進した。JAL社長にパイロット出身者が就任するのは初めて。

「ようやく薄日が垣間見える状況だが、まだ上昇中」

中央がJALの植木義晴次期社長。左が大西賢社長、右が稲盛和夫会長
中央がJALの植木義晴次期社長。左が大西賢社長、右が稲盛和夫会長
「飛ぶことが好きで好きでたまらない人間。本当にパイロットという仕事が好きで、飛行機を飛ばすという仕事が唯一の自慢だった」

という植木氏は、稲盛会長から先週社長就任の打診を受け、その場で受諾したという。

   植木氏は、

「2年前に操縦かんを自らの意志で置き、経営の舵取りをする決断をした。最初の1年は、安全で確実な離陸をするのみに神経を集中した。離陸したと思ったら東日本大震災。これまで経験したことのない厚い雲が、いつまで続くか分からない状況がつづいた。ようやく薄日が垣間見える状況だが、まだ上昇中で、巡航飛行に入らなければならない。そのキーポイントが上場」

と、12年秋にも予想される再上場への見通しを語った。その上で、

「過去のJALの経営をよく知らないので、そこを振り返ることもない。稲盛に教えてもらったことが全て」

と、稲盛氏が提唱した「フィロソフィー」(哲学)を継承していくことを強調。

   ただし、10年の執行役員就任で「心の中で『区切り』をつけた」ともいい、経営陣と対立することも多かった機長組合との関係については、

「パイロットの親玉になったつもりは全くない」

と述べた。

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