2012年1月11日にオープンした「丸の内タニタ食堂」(東京都千代田区)の人気がいまだに過熱気味だ。整理券が約2時間で「完売」、それを知らずに遠方から来た客が入れず立ち往生するなど、ちょっとした「騒動」になっている。
主婦層やお年寄りも目立ち、観光地化
「丸の内タニタ食堂」では、タニタ社員食堂のコンセプトを忠実に再現したヘルシーなメニューを取り揃えているほか、業務用の体組成計を備えたカウンセリングルームを設け、管理栄養士などがアドバイスする無料サービスも行っている
「丸の内タニタ食堂」は、健康機器メーカー「タニタ」が開店したヘルシーメニューを提供するレストランだ。1食500kcal前後という同社食堂の定食を紹介したレシピ本が、シリーズ累計436万部を突破するなど、以前から「ヘルシーランチのタニタ」としてマスコミによく登場していた。レストランでは、「日替わり定食」(800円)、「週替わり定食」(900円)など、社食同様500kcalのランチを実際に楽しめ、オープン時には大きな話題となっていた。
オープンから1週間経った16日でも「タニタランチ」の人気ぶりはまったく衰えを見せていない。店では、混雑を避けるため「整理券」を配布しているが、この日も、朝8時30分の配布開始かなり前の、8時から行列ができ始め11時前には完売した。それでもなお、店に集まる客足は途絶えることはなく、「食べられないの?」という問い合わせに、スタッフも息つく暇なく対応していた。
場所柄、健康を気遣うビジネスマンやOLに人気かと思われるが、意外にも主婦層やお年寄りも目立つ。噂を聞きつけて、横浜からやって来たという女性は、「本日は完売しました」という看板を見て、残念そうにこう話す。
「糖尿病の主人のために、ちょっと食べてみようと思って来ました。12時前だったら大丈夫かなと思ったんですがダメでしたね。また来ます」
また、どうせ食べられないならと、店舗前で記念撮影する主婦や、旅行客なども多数訪れ、今やちょっとした「観光名所」の様相を呈している。
3月には「お弁当」の販売も予定
当の「丸の内タニタ食堂」の担当者も、前例を見ない人気ぶりに驚きを隠せない。
「想定以上の皆さまにご来店いただいているため、対応が行き届かずご迷惑をおかけしています」と、諸手を挙げて喜べないのが現状のようだ。現在も、多少整理券の配布終了時間は遅くなったとはいえ、開店から閉店まで客足が全く途絶えない状況で、「1人でも多くのお客様にご利用いただき、ご満足いただけるよう日々改善していきたい」と話す。
次の展開については、「3月を目途にお弁当の販売などを予定しています」といい、早くも「混雑緩和」に向けた次の一手を打ちだすようだ。また、「こんなに混んでいるならもっと店舗を増やしてほしい」という声も多いが、これについては「次の店舗は半年から1年経った後に検討する」という。
広報によれば、毎日取材が殺到し、担当者は時間外の対応にも追われているそうで、タニタの「社外食堂人気」も、まだまだ続きそうだ。