現代物理学の根幹ともいえる「不確定性原理」に修正を迫る新数式「小澤(正直・名古屋大教授)の不等式」が成立する実験結果が出た。小沢教授やウィーン工科大の長谷川祐司准教授らの研究グループが2012年1月15日付で、国際科学誌「ネイチャー・フィジックス」電子版で発表した。今後、量子コンピューターや量子暗号の開発などへの応用が期待される。
「不確定性原理」は、電子など微少な粒子を観測する際、位置と速度を同時に正しく測定することはできないとする、教科書にも載る「常識」だ。観測するために必要な「光」が粒子の位置や運動量に影響を与えてしまうからだ。
しかし今回、中性子のスピン(自転)を精密に測定することで、条件次第で位置も速度も同時に測定できることが実証されたとしている。