「名古屋の実績」でリターンマッチ
市関係者は打ち明ける。「市長は新聞などの報道で衆院解散が取りざたされるようになったころから変わった」。社会保障と税の一体改革をめぐる国会での与野党対決が本格化する中、河村市長は周囲には「何でもいいから減税させてくれ」と語り、一時は公明党が主張する所得制限付き減税案すら丸のみする姿勢さえ見せていたという。
次の衆院選で減税日本から複数の候補者を擁立する方針を示し、自らについても「時期はともかく、(国政復帰が)最終的には当然だ」と公言する河村市長。「次の衆院選の争点は消費税。名古屋市で減税を実現した実績を掲げて存在感を示す狙いだ」(民主党県連幹部)とみる関係者は多い。
河村市長の本来の任期は2013年4月。これまで市民の支持の前に「守勢」を余儀なくされてきた議会からも「財政に悪影響を与えない程度の減税で市長の顔を立てておけばいい。早く国政に追い出してしまおうということだ」(野党幹部)とのささやきが漏れる。市長は国政復帰時期について、「今のところはしっかり(市長の)仕事をやらせてもらうつもりでおります」と語るのみだ。