日本市場はオープンといえるのか  実は存在している自動車の非関税障壁

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中国、韓国も協定を受け入れ

   1960年代の前半、日本のタクシー事業者がLPG自動車を多用し始めたとき、容器交換によるガス漏れ事故が多発した。安全を確保するため、国土交通省の前身である運輸省は、経済産業省の前身である通商産業省が所管し、容器検査を規定していた高圧保安法をガス自動車の燃料容器にも引用することにし、自動車の構造を規定する「道路運送車両の保安基準」に書き込んだ。

   これが1963年以降、50年近く継続されてきたのだが、TPPへの参加、市場開放を目前にどうにかしなければならなくなってきた。

   日本市場の開放ばかりではない。中国、韓国もECE規則を認め、2011年にCNG自動車、LPG自動車に関する協定を受け入れた。現状で日本は、TPPへの参加どころか、アジアの統一市場からも取り残されようとしている。とくに中国は自動車保有が伸び続ける有望市場で、エネルギー安全保障の観点から自動車用燃料の多角化に前向きだ。日本国内の規制緩和が遅れていることで、本来、輸出できるはずのガス自動車の部品が輸出できなくなることすら考えられる。

   同時にガス容器の安全基準の現局である経済産業省では原子力安全・保安院の解体が、福島原発事故の後始末との関連で目の前に迫っている。市場開放と態勢整備の交渉が水面下で始まりだしている。

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