13年に「日本取引所」誕生 名古屋、福岡、札幌証券取引所は置き去りか

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売買代金の減少続く

   では、地方証取の経営の現状はどうか。株式会社化している名古屋証取はホームページで損益計算書を公表している。

   それによると、2011年3月期に売上高にあたる営業収益は前期比26%減の14億5512万円。営業利益は56%減の3億4356万円。欧州債務問題などによる足元の商いの薄さを考えれば、2012年3月期はさらに下落トレンドをたどる可能性はある。

   欧州問題のような一時的要因とは別に、地方証取はおしなべて上場企業数と売買代金の低迷に苦心している。東証などと重複上場するメリットが見いだせない企業が東証の単独上場に切り替える動きも後を絶たない。

   ただ、名証の2011年3月期の実績で売上高(営業収益)に対する営業利益の割合は23.6%に上る。同じ期に東証が23.8%、大証が33.0%なので取引所として特別高いわけではないが、好調だった時のトヨタ自動車でも9%程度であり、高効率経営ではある。この辺りに地方証取の強気の根拠がありそうだ。

   なぜ高効率なのか。東証幹部によると「東証のシステムを使っているため、システム投資が不要だから」。

   東証などの取引所にとって最大の懸案であるシステム負担が軽ければ、確かに経営は安定する。しかし、例えば名証で2006年に年間8850億円だった売買代金は2010年に797億円と10分の1以下に激減。福岡、札幌も同様の傾向だ。下落傾向に歯止めがからなければ「強気」を続けられる保証はないとも言えそうだ。

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