刑務所で捕虜の拷問風景を「記念写真」に収める
戦時下における米兵の粗暴なふるまいが画像や映像で明るみに出た例は、イラク戦争でもあった。中でも2004年、バグダッド郊外にあるアブグレイブ刑務所で米兵がイラク人捕虜を虐待、拷問し、その様子を収めた写真は世界に衝撃を与えた。全裸の男性捕虜に犬をけしかけて脅したり、やはり全裸になっている複数の捕虜が組体操の「ピラミッド」のような状態になっている後ろで、2人の米兵がさながら記念写真のように笑ってポーズをとったりと、異常とも思えるシーンの数々が米メディアで報じられたのだ。
これにより米軍は世界中から非難を浴び、米当局は虐待に関与した兵士を処分、裁判でも有罪判決が出た。
ほかにも、2010年4月に告発サイト「ウィキリークス」で、米軍のヘリがバグダッド上空から、路上に集まっている数人めがけて銃撃する動画が流出した。兵士が銃を連射すると、しばらくして地上には無残な犠牲者の姿が映像に映し出された。発砲した兵士のものと思われる笑い声も収録されている。路上にいた人たちが武器を持っているように見えた、というのが発砲の理由だが、この動画にも世界各国から批判が集中した。