元オウム真理教幹部の平田信(まこと)容疑者(46)の逃亡を助けたとして、犯人蔵匿の容疑で逮捕された元信者の斎藤明美容疑者(49)は、逮捕後に「17年ぶりに本名を名乗りました」とコメントを出した。出頭時に名乗っていた偽名は、吉川祥子(よしかわ・しょうこ)。この偽名が、「教団への帰依を表しているのではないか」と憶測を呼んでいる。なぜならば、教組の松本智津夫死刑囚(56)=教団名・麻原彰晃(あさはら・しょうこう)=を連想させると指摘されているからだ。
偽名の保険証は00年に発行
斎藤容疑者が逮捕された2012年1月10日、出頭に付き添った滝本太郎弁護士は、
「今日、私は17年ぶりに本名を名乗りました。私はずっとずっと偽名で生活し、仕事をしてきました。そんな偽りの人生は終わりにします」
とする斎藤容疑者のコメントを読み上げた。出頭した際に任意提出した保険証には「吉川祥子」と記載されていた。保険証は、勤務先の整骨院が申請し、00年に全国健康保険組合大阪支部が発行したとみられている。17年間の逃亡生活のうち、少なくとも12年間は、この「吉川祥子」の偽名を使っていたことが裏付けられた形だ。
この「吉川祥子」の由来について話題にしたのが、2012年1月12日朝放送の「モーニングバード」だ。コメンテーターの田中喜代重弁護士が、保険証を入手した経緯について
「前にも(不正な保険証の申請を)やって大丈夫だったから、またやったという可能性も十分考えられる。また、そういう知恵を入れている人間がいたのかも知れない」
と推測すると、羽鳥慎一アナウンサーが
「他の逃げている手配犯の身柄を確保するということに関して、難しくなってくるのでは」
と、他の容疑者も偽名で保険証を入手している可能性を指摘した。