高橋洋一の民主党ウォッチ 
民主党の経済政策では「自殺減らない」 デフレと「日銀の責任」から目そらすな

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デフレ脱却前の消費税増税の影響

   経済学では、こうした状況について、「ヘリコプターからお金をまいたようだ」と表現することもある。かつて、ノーベル経済学賞を受賞したフリードマンがそう言ったからのようだ。そうなると、所得が上がり失業が減る。その結果、生活不安がなくなり、自殺も減ることとなる。ちなみに、これらの関係は数量的にはある程度わかっている。マネー伸び率10%以上を継続すると、名目GDPは5%程度アップして、自殺者は2000人以上減る、という具合だ。

   しかし、政府・日銀のように、デフレや名目GDPの低迷は日銀の責任でないという見解なら、このような政策は決して出てこない。政府・日銀のように人口減少が原因というと、どんな対策をとってもすぐには効果は出ない。したがって、当分の間、自殺者は減らないということにしかならない。

   そういえば、自殺者が増え出したのが1998年で、消費税増税直後だ。そこからデフレが深刻化したが、今の民主党はデフレ下でも消費税増税を強行しようとしている。2011年末の消費税増税議論では、客観的な数量基準が可能なデフレ脱却や名目GDPの一定以上の伸びを増税の条件とはしていない。

   民主党政権は、どう考えても、自殺者を増やすような経済政策しかしていないように見える。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。



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