内閣改造で野田首相「脱小沢」 小沢グループ閣僚はゼロ?

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   野田佳彦首相が内閣改造に踏み切る。「脱小沢派の急先鋒」とされる岡田克也・前幹事長への副総理就任打診などの動きが出ており、前回の組閣ではテーマだった「党内融和」が吹き飛び兼ねない様相を見せ始めている。

   問責決議を受けた2閣僚の交代は確実で、この2人とも小沢一郎・元代表グループだ。後任人事を含め今回は、「小沢グループから閣僚は起用しない方向で調整を始めた」(TBS系ニュース)との動きが出ており、「野田どじょう内閣」が「ノーサイド」宣言したはずの「小沢派VS脱小沢派」の対決再燃の可能性が高まっている。

事実上更迭の2閣僚ともに小沢グループ

野田首相はどんな内閣改造を行うのか。
野田首相はどんな内閣改造を行うのか。

   内閣改造は、2012年1月13日に行われる見通しだ。この時期に実施する理由については、「消費税増税へ向けた態勢固め」「野党から反発を受けている問責2閣僚の更迭をオブラートに包むため」といった指摘が出ている。1月後半には通常国会が召集される。

   問責2閣僚は、「沖縄米軍基地問題を巡る不適切発言」の一川保夫・防衛相と、「マルチ業界からの献金問題」を抱える山岡賢次・消費者担当相の2人だ。ともに小沢グループで、2人が抜ければ小沢グループの閣僚はゼロとなる。

   ほかに交代の可能性が指摘されているのは、脱税事件で逮捕歴がある男性との交流が問題視されている蓮舫・行政刷新担当相や、詐欺罪で有罪判決を受けた男性を秘書官に起用していた平岡秀夫法相らだ。

   また、岡田前幹事長の副総理としての入閣が検討されているほか、党役員人事でも平野博文・国対委員長らが交代する可能性がある。岡田氏は、脱小沢派の筆頭格で、消費税増税が持論でもある。周囲には今回の入閣に消極的な考えを示しているとも伝えられている。

   改造内閣の後任候補には、様々な名前が挙がっているが、「小沢グループからの起用」説は伝わってこない。「小沢グループには当選回数が少ない若手が多いため、大臣適齢期の議員を探すのが難しい」といった「建前論」も流れている。

消費税増税反対派の入閣はない

   しかし実際には、消費税増税シフトを敷きたい野田首相が、小沢元代表本人を筆頭に「今の時期の消費税増税に反対」派が多い小沢グループからの入閣を避けたがっていることが大きな理由のようだ。

   首相支持グループ議員らの中には「前回の『ノーサイド組閣』で小沢グループのメンツはもう立てた」として、今後は配慮する必要はないと言わんばかりの強気の見立てを披露する向きもある。

   問責2閣僚の交代など内閣改造について、輿石東幹事長は不要論を唱えてきたが、水面下では野田首相と2011年末から改造に向けて話を詰めていたとの情報もある。「小沢元代表と近い」とされる輿石幹事長だが、小沢グループ所属ではない。「小沢派とのバランス問題」でどういう手綱さばきを見せるのだろうか。

   いずれにせよ内閣改造を機に、「脱小沢」や「消費税増税」を軸にまたもや民主党分裂の危機が浮上する可能性がある。

   NHKが1月10日に報じた世論調査結果によると、野田内閣の支持率は前月より7ポイント下がり30%と発足から4か月で半減した。前月調査の段階で「不支持」は「支持」を上回っていたが、今回はさらに差が広がり、不支持率は49%と半数近くに上った。

   「危険水域」目前の内閣支持率は、改造で回復するのだろうか。2月には復興庁発足が控えており、「内閣改造は1月13日と2月の2段階」説もある。

姉妹サイト