時間の大半を名刺交換に充てる
今回、野田首相がパーティー会場に滞在した時間は約30分。野田首相は冒頭あいさつ以外のこの時間の大半を、すべて名刺交換に充てていた。会場には野田首相と名刺交換しようとする中小企業経営者らの長蛇の列ができた。野田首相は経営者と一人ずつ丁寧に名刺交換し、記念撮影を求められると、快く応じていた。しかし、名刺交換は一人当たり秒単位で、話が弾む余裕はなかった。
長蛇の列には前経団連会長の御手洗冨士夫氏の姿もあった。御手洗氏は野田首相との面会は 初めてらしく、名刺を交わしながら「(あいさつに)たいへん感銘を受けた。がんばってください」などとエールを送ったが、野田首相の反応はいまひとつだった。
途中、自民党の谷垣総裁が野田首相の真横を通り過ぎるニアミスもあったが、谷垣総裁に名刺交換を求める経営者の姿はなく、与野党の明暗がくっきりと浮かび上がった。この間、米倉経団連会長ら財界3トップは、野田首相と交わることもなく、首相から15メートルほど離れた地点で、それぞれ民間人と個別に歓談していた。自民党時代とは様変わり したこの光景、果たして、どうとらえるべきなのだろうか。