財界人と立ち話もできない野田首相 新年祝賀会で「疎遠」がくっきり

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   新年恒例の経済3団体(経団連、日本商工会議所、経済同友会)主催の新年祝賀パー ティー(賀詞交換会)が2012年1月5日、東京都内のホテルで開かれ、野田佳彦首相、谷垣禎一自民党総裁はじめ政財界の1600人が集まった。民主党政権となって3回目、野田政権となって初の交換会だったが、自民党政権時代とは様変わりの光景が目立った。財界は今なお、民主党政権とは疎遠のようだ。

   冒頭、来賓の野田首相は「最優先の課題は震災復興と原発事故への対応、そして日本経済の再生だ」とあいさつ。第4次補正予算案でエコカー補助金を盛り込んだことを挙げ、「切れ目なく経済対策を講じて、日本経済の再生に力こぶを入れて行きたい。日本の経済再生が本格的に2012年から始まったと言えるように歴史的な使命を果たしていきたい」などと述べ、会場の拍手を浴びた。

財界3トップと親しく語り合う場面が一度もなし

   しかし、欧州債務危機で対ドル、ユーロともに歴史的な円高が進む現状に企業トップの危機感は強い。野田首相が到着する前、先に登壇した米倉弘昌経団連会長は「我が国は長引くデフレ、行き過ぎた円高、巨額の政府債務といった、待ったなしの問題に直面している。さらに欧州債務危機や新興国の経済成長の減速など、景気の下押しリスクが高まっている」と強調。「今年は辰年にちなんで、震災からの復興を日本経済の再生につなげ、ダイナミックに飛翔できる年にしたい」と結んだが、両者の現状認識の差が目立った。

   ここまではよい。新年なので、明るくやや楽観的なあいさつをせざるを得ない首相と、そうはいかない経団連会長のあいさつに多少の溝があるのは仕方あるまい。問題はここからだ。野田首相と米倉経団連会長、岡村正日商会頭、長谷川閑史経済同友会代表幹事の財界3トップと野田首相が会場で親しく語り合う場面が今回、一度も見当たらなかったのだ。

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