誰でも持つスマホ時代が到来 「どう使うか」で競うようになる
(連載「スマートフォン革命」第7回/アスキー総合研究所・所長 遠藤諭氏に聞く)

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ドコモがiPhone出さない理由はない

――通信端末としてのスマホはどう変わるでしょう。例えば次世代高速通信(LTE)の普及は進むでしょうか。

遠藤 LTEは利用者だけでなく、データ通信の増大に伴って通信障害のリスクを抱える携帯電話会社にとっても普及は望ましいはず。利用可能な地域が全国に広がれば、例えば「アイフォーン(iPhone)」のSIMフリー版を手に入れて、NTTドコモの「クロッシィ」で高速接続環境を手に入れるという利用者が増えるかもしれません。

――そのドコモですが、2011年末になって「12年夏にiPhone参入」という報道が流れました。

遠藤 不透明ですが、個人的にはドコモがiPhoneを出さない理由はないと思います。アップルの「iPhone戦略」は確かに、各国1社からのみの販売でした。考えてみるとこれは、最初から一挙に多数の業者から発売されたらアップル側の対応も大変だから、ではないでしょうか。世界でこれまでに1国で複数の業者から販売している実績があり、国内でも「iPhone 4S」からKDDIが2社目として参入を果たしたことを考えれば「ドコモ版iPhone」の実現性は十分ありうる話です。

――米国では、データ利用量の問題から「パケット定額制」廃止に踏み切る通信会社が現れ、国内でも議論が出始めました。

遠藤 日米を比較すると、日本のスマホ普及率はまだ10%台なのに対して米国では、早くから「ブラックベリー」が出ていたこともあって、数年前には25%に達していました。そこにiPhone人気や米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載した端末が続々と登場したため、定額制から従量課金制に移行せざるを得なかった事情があると思います。
   国内でもスマホがさらに普及すれば、データ量問題が深刻になるかもしれません。個人的には従量課金制になるのではなく、定額制を維持したままいわゆる「ヘビーユーザー」に対しては通信速度を遅くするほうが効果的だという研究結果もあり、そのほうが多くの利用者にとってハッピーではないかと考えています。
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