不測の事態に備え、お年寄りを個別訪問【岩手・花巻】

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”見守り隊”の訪問を受け、笑顔を見せる鈴木さん=花巻市若葉町で
”見守り隊”の訪問を受け、笑顔を見せる鈴木さん=花巻市若葉町で

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「何かあったら何時でも連絡を。24時間対応します」―師走も大詰めを迎えた28日、「ゆいっこ花巻」では花巻市に移り住んだ沿岸被災者のうち、一人暮らしのお年寄りを個別に訪問して不測の事態に備えた際の緊急連絡を呼びかけた。


   現在、「ゆいっこ花巻」が把握しているだけで、約30人のお年寄りが今回の大震災で肉親を失ったりなどして一人暮らしを強いられている。中には精神的に不安定な状態に置かれている人もおり、カウンセラーの診察を受けている被災者も。行政側の支援体制も手が届かない部分が多く、その後方支援策として各戸に緊急連絡用の電話番号など記したステッカーを配布した。


   夫と母親、次女、兄嫁の4人が犠牲になった大槌町出身の鈴木みよさん(58)は花巻市内の民間借り上げアパートに一人で暮らしている。大槌町役場に勤めていた次女(当時28)の行方はまだわからない。「年の瀬が迫ると賑やかだった昨年のことを思ってしまう。もう家族水入らずのお正月はないんだよと自分に言い聞かせている。この悲しみをどうにかして乗り越えて行かなければと思う。でも、現実の重荷に押しつぶされそうで…」と鈴木さん。


   同じ民間借り上げアパートに住む大槌町出身の伊藤ヤスさん(75)は夫を津波に奪われた。今年はこのアパートで一人で新年を迎える。「寂しい。でも、お父さんがいつもそばで見守ってくれていると思うから…」と伊藤さん。「ゆいっこ花巻」では7人編成の"見守り隊"を組織し、不測の事態に24時間体制で対応するほか、通院・買い物バスの運行や雪かき部隊(スノーバスターズ)の派遣も計画している。



ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
ゆいっこは、「花巻」「盛岡」「北上」「横浜」「大槌」の各拠点が独立した団体として運営しておりますが、各拠点の連携はネットワークとして活用しております。
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