「監視カメラはプライバシーを奪う」の指摘も
防犯カメラはどの程度、導入されているのか。国土交通省によると、2011年3月末現在で、全国の駅(JRや地下鉄など)に計5万6000台が設置されている。また東京都は、都内の商店街などが防犯カメラを設置する際に補助金を出しており、04年度から10年度までの間だけで、対象は2975台に上る。
防犯カメラをめぐっては、「監視カメラが市民のプライバシーを奪う」として心配する声もある。福岡県弁護士会は2009年夏、「法令なしに警察の監視カメラを設置することに反対する声明」を発表し、警察庁などへ送った。
同弁護士会の武藤糾明弁護士に聞いてみると、監視カメラ大国イギリスを含め、日本でもカメラの防犯効果や検挙効果について、「確認できない」「有効性に疑問」といった検証結果が出ていると指摘した。犯罪場所がカメラ設置場所以外に移っただけ、といった内容だという。
「プライバシーがどんどん狭められていく副作用の方が大きい。監視カメラの『効果』について、思い込みでなく冷静に数字も見ながら判断をするべきだ」
と指摘した。