最後は人の目で確認する?
NECの多くの「顔認証」導入例では、指紋認証などを組み合わせて精度を高めている。顔認証に限れば「96~97%」の精度だ。眼鏡をかけたりひげを生やしたりして「変装」しても見破ってしまう。ただ、元データと付き合わせる映像の方も正面のものがある場合の数字だ。
映像に横顔が映った程度だった場合などは、精度は下がる。「似ている率」は、「50%」「80%」などと設定が可能だ。防犯カメラから特定の人物をさがす例を考えると、ある程度似ている人物を顔認証システムでリストアップし、「最後は人の目で確認する」という形が自然のようだ。
今回の平田容疑者の例では、防犯カメラ映像に正面からの映像が映っていなかった場合も考えられ、顔認証システムに詳しいある関係者は「結局、捜査員が苦労して見つけ出したのではないか」と話した。
防犯カメラ映像の分析の場合には関係ないが、入退室管理のセキュリティデザイン社(東京都)が扱う3D顔認証システムでは、「双子の微妙な違いも見分けることができる」(同社)。勿論、「いくつかの条件を満たせば」だ。
顔認証システムを防犯カメラ映像に使う場合、防犯カメラの映像精度の方も問題になる。こちらの精度も向上している。また、防犯カメラ映像を拡大する技術も進んでいる。従来方式では2~3倍以上に拡大すると画像が不鮮明になったが、NECは2011年12月、「4倍以上に拡大しても鮮明」な「超解像技術」を発表した。