吉本興業の大崎洋社長が公式の場で島田紳助さんの「芸能界復帰」を要望した。
暴力団との付き合いが原因で芸能界を引退した紳助さんだが、まだ引退して半年も経っておらず、吉本興業社長の発言には批判の声が挙がっている。
「全タレント、全芸能人の思い」と言い切る
発言があったのは2012年1月4日に行われた「創業100周年記念プロジェクト」発表会見でのこと。大崎社長が「私たちは彼(紳助さん)の才能を惜しむものであります。願わくは、社会の皆さま、ファンの皆様、マスコミの皆様のご理解を得て、いつの日か、私たち吉本興業に戻ってきてもらえるものだと信じております。この思いは私たち全社員、全タレント、全芸能人の思いでもあります」と話した。
大崎社長は「世間が許してくれるかどうかだし、本人の気持ちもある。タレントなのか作家なのか。空気感を見ながらになるので何も決まっていない」と、具体的な復帰方法などは白紙状態であるともしていたが、紳助さんが引退した2011年8月からまだ半年も経っておらず、余りに唐突の話だ。
各所から疑問の声が出ていて、テレビのワイドショーではコメンテーターから「時期尚早」「説明責任果たしていない」などと言われていた。芸能評論家の肥留間正明さんもJ-CASTニュースに対し「甘すぎる。とんでもない話」と話す。
復帰してもテレビ局は使わない?
紳助さんが暴力団との付き合いをクリアしたかどうかまだ分からないのに復帰するのは、「道理が通らない。本来なら彼自身が説明するべき」とし、
「企業のコンプライアンスが求められる中、吉本はまだそういうタレントに頼るのか。暴対法に対する考え方がなってないとしか思えない。芸能界はそこまで常識がないのか。モラルの問題ですよ」
また、もし復帰したとしても番組のスポンサーが起用を許さないので、テレビ局も使うことはないと見ているという。
紳助さんが出なくなっても、その後の視聴率に影響が出ていないということも言われており、そのあたりもテレビ局の判断材料になりそうだ。
サンケイスポーツが4日に行ったネットアンケート結果によると、紳助さんの復帰について「反対」が177件中157件と約9割にもなった。2ちゃんねるやツイッターでも話題になっていて、「これで吉本興業って会社がどういう会社か良く分った。何がコンプライアンスだよ。聞いて呆れるわ」「ケジメのつけ方知らないのか」といった声が寄せられている。
大崎社長は、朝日新聞デジタルに掲載されたインタビュー記事の中で、紳助さん復帰をファンは迎えてくれるのか、と聞かれ「身内のことなので、甘く甘く、イージーに考えてしまうんで。そこはちょっと分からない」と答えていた。