大間産クロマグロ史上最高値5649万円 「すしざんまい」が「一貫398円」で提供へ

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   東京・築地市場で2012年1月5日朝、新年恒例の初競りが行われ、青森県大間産のクロマグロが1匹5649万円の史上最高値で競り落とされた。

   この日最大の2メートル18センチ、268キログラムもあるクロマグロを競り落としたのは、寿司チェーン店の「すしざんまい」を展開する「つきじ喜代村」。昨年記録した最高値をあっさり更新。場内からは驚きの声があがった。

大間産が最高値記録を奪回

   2012年の初競りに向けては、マグロを獲る漁師も燃えていた。大間漁協の初出漁は1月3日深夜から4日午前にかけてで、重さ268キロを最高に合計4本が水揚げされた。

   昨年の初競りで、北海道戸井産の342キロのクロマグロが3249万円の最高値をつけたことで、それまで大間産が持っていた記録を抜いていた。記録奪回に、大間漁協は従来1月5日までだった休漁日を1月3日午後5時までに短縮。4日朝までにマグロを水揚げすれば築地の初競りに間に合うようにした。

   一方、落札する側も「縁起物」でもあり、気合が入る。このところ4年連続で最高値をつけて落札している「香港の寿司王」ことリッキー・チェンさんと、共同購入している東京・銀座の老舗高級すし店「銀座 久兵衛」は、TBSの情報番組「朝ズバッ!」の取材に「(最高級のマグロを)とるつもりでいる」と、自信をのぞかせていた。

   しかし、最高値で落札したのは、「すしざんまい」の木村清社長だった。5日放送の「朝ズバッ!」では「銀座 久兵衛」を招き、別に競り落としたばかりの、一貫2000円もの中トロのにぎりに、みのもんたさんが舌鼓を打ったが、「銀座 久兵衛」の3代目主人は「キロ20万円までは競っていたのですが…」と残念そう。

   競り落とした「すしざんまい」の木村社長は、1キロあたり21万円で落札。「東日本大震災もあり、今回は日本勢ががんばらないといけないと思った」と話した。

   「最高のマグロを手に入れて、海外ではなく日本の皆さんに食べてもらいたかった」とし、このマグロのにぎりを一貫398円で提供するという。

   競り落としたマグロは首都圏にある「すしざんまい」全店で食べられるが、「きょう(5日)の夕方には納品されていますので、あすの午前中にはなくなってしまうかもしれません」(つきじ喜代村)と話している。

自らを「マグロ大王」と名乗る社長

   「すしざんまい」の木村社長は、15歳で航空自衛隊に入隊。その後退官して大学在学中に水産の世界に転じたというユニークな経歴の持ち主だ。1979年に「木村商店」を創業。お弁当や寿司ネタなどの製造・販売、2001年に築地場外に「すしざんまい 本店」をオープンした。

   24時間営業で、銀座に近い立地から接待帰りのビジネスマンやホステスらが立ち寄った。安価で明朗会計を打ち出し、高級なイメージのある寿司店の敷居を低くして、寿司ブームにも乗って繁盛した。

   「すしざんまい」は「マグロが自慢」で、200キログラムを超える本マグロの解体ショーが売りものでもある。また、木村社長は自らを「マグロ大王」と名乗り、大好きなにぎりはマグロの赤身という。

   夢は「皆様に幸せになってもらうこと!」と語り、趣味は「人を喜ばせること」や「自分の知らないものに対して、好奇心をもって調べること」。「日本のすし文化を世界に広げていきたい」を目標にしている。

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