アメリカ大統領選挙に向け、野党・共和党の候補者選びが始まった。「上位」候補の1人、ロン・ポール下院議員(76)は、在日米軍を含む在外駐留米軍の撤退を主張しており、日本でも注目を集めつつある。
ポール候補の訴えは、今も揺れる沖縄県の米軍普天間基地の名護市辺野古への「県内移設」問題にも影響を及ぼすのだろうか。
「第3の党から立候補」説も
大統領選の事実上の幕開け、共和党のアイオワ州党員集会が始まる直前の2012年1月3日、自民党の小池百合子・前党総務会長は、ポール氏が「急速に支持を伸ばし」ていることにインターネットのツイッターで触れた。そして、
「FRBの廃止に加え、米軍を日本などから撤退させるべき!との主張が受けている?!。注目です」
と関心の高さを示した。
1月4日(日本時間)に共和党が発表したアイオワの開票結果によると、ポール氏は7人中3位だった。得票率は21.4%で、1位のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事の24.6%、2位リック・サントラム元上院議員24.5%に迫る勢いだ。4位の13.3%とは差をつけている。
もっとも、ポール氏の今回の結果については、「予想外の健闘」(5日付の朝日新聞朝刊)といった見方も強い。保守派市民運動「ティーパーティー(茶会)」や若者層の支持を集めるポール氏だが、「支持層に偏り」(朝日新聞)があるというわけだ。
とはいえ、米CNNの直前アイオワ世論調査では2位につけていた。また、ポール氏が共和党を離れ、第3の党から立候補する可能性を指摘する日米メディアもある。