2011年1~12月の日本企業による海外企業へのM&A(合併・買収)は455件、総額6兆2666億円となり、件数、金額ともに前年を大きく上回った。M&A助言のレコフが2012年1月4日に発表した。1990年(463件)に次いで、過去2番目の多さ。
455件の海外M&Aのうち、対アジアが198件、43.5%を占めた。このうち対中国(香港を含む)が55件あった。
東日本大震災の影響による国内景気の低迷に危機感を抱いた企業が新興国などに成長機会を求めたほか、円高を生かして買収攻勢をかけた企業が多い。
日本企業による国内外のM&A件数は1687件で、前年の1707件を20件、1.2%下回った。金額では10兆4956億円で、前年に比べて3兆8457億円、57.8%増えた。
最大の案件は、武田薬品工業が1兆1086億円(98億ユーロ)を投じたスイスのナイコメッドの買収。国内では、新日本製鉄と住友金属工業の合併(2012年10月1日予定)が発表された。