スマホでのデータ通信料は新たな収入源
携帯電話会社にとっては「端末では儲からない」形になっているわけで、月々の通信料、とりわけスマホでのデータ通信料を新たな収入源として位置づけている。
例えば、NTTドコモが2011年7月29日の第1四半期決算発表会で明らかにしたモニタリング調査の結果によると、11年3月に3,500円程度だったiモード利用者のパケット通信料(ARPU、1人当たりの月間売上高)が、4月のスマホに機種変更で、5月には5200円に上昇。
このことから、同社では「スマートフォンへの移行で1,700円程度ARPU押し上げ効果があるということであり、スマートフォンの販売は重要」としている。ドコモでは2010年度台4四半期にデータ通信のARPUが音声通話を上回っており、音声通話による収入は先細りするばかりだ。携帯電話各社が、スマホ販売を増益の原動力として重要視していることが分かる。
その結果、ここ数年で「ケータイ=スマホ」という時代がやってきそうだ。市場調査会社の富士キメラが2011年6月30日に発表した「2011スマートフォンビジネス総調査」によると、2015年には携帯電話端末市場は3500~3600万台に成長すると予測しているが、そのほぼ全てをスマホが占めると予想。従来型携帯電話は、「らくらくホン」のような操作が簡単な端末や、音声通話が主な用途の端末などが「僅かに残るとみられる」程度で、ほぼ「絶滅」するものとみられている。