2011年12月31日に警視庁丸の内署に出頭したオウム真理教元幹部・平田信(まこと)容疑者が、元教団代表の麻原彰晃死刑囚(本名:松本智津夫)について「教祖の死刑は当然」と接見した滝本太郎弁護士に話していたことわかった。
平田容疑者は「自分はオウムを信仰していない。年内に出頭したかった」などと話した。
「長官事件で逮捕ありえなくなったので出頭した」
滝本氏はオウム真理教被害対策弁護団の一員としてオウム真理教をめぐる裁判に関わるほか、信者の脱会活動に携わってきた弁護士だ。12年1月2日に自身のブログで「(平田容疑者)本人の声」として、
「国松長官事件が時効になって、間違った逮捕はありえなくなったので、早く出たかった。
でも色々なことがあって遅れた。
東北の大震災で不条理なことを多く見て、自分の立場を改めて考えた。
2011年の内に出頭したく、31日の晩、出頭した。
教祖の死刑執行は当然と考えている。
自分は松本死刑囚を観想していないし、オウム真理教を信仰していない。」
と平田容疑者が語ったことを明かした。
平田容疑者は高校時代に射撃競技の選手だったことなどから、1995年に國松孝次警察庁長官が何者かに狙撃された事件に関係しているのではと見られていたこともあった。なおこの事件は2010年3月に殺人未遂罪の公訴時効を迎えている。
逃走経路などは不明
平田容疑者は1995年2月に発生したオウム真理教による目黒公証役場事務長、仮谷清志さん拉致事件に関与した疑いで特別手配され、約17年に及ぶ逃亡生活を続けていた。突然の出頭については、自分の裁判が開かれると、事実の解明のためにすでに死刑が確定した松本死刑囚ら主要メンバーの出廷が必要になる可能性があり、彼らの死刑執行を遅らせることを狙ったのではないかという憶測も流れていた。
しかしながら、滝本弁護士と接見し、「教祖の死刑は当然」などと語ったことで、逃走経路や資金など不明点は多いものの、すでにかつての教団組織から完全に離脱している公算が強まった。
なお、FNN(フジテレビ系)の報道によると、平田容疑者は、同じく特別手配されている高橋克也容疑者と菊地直子容疑者の2人の行方について「私は知らない」などと話しているという。