消費者の節約志向やエコ意識反映 中古カー用品市場に熱い視線

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   中古カー用品市場に熱い視線が向けられている。大手のアップガレージは2015年までに店舗数を全国250店舗に拡大、シェア25%を獲得して業界ナンバー1の座を確固たるものにしたい考えだ。カー用品店最大手のオートバックスセブンは中古パーツ事業のブランド名を変更、品揃えや店舗の内外装も改め事業再強化に乗り出す。

   ジェームスを展開するタクティーも新たな店舗展開の中で中古パーツ事業が重要な地位を占めているようになっている。消費者の節約志向やエコ意識は確実に高まり見せており、この潮流に合わせて中古カー用品事業のビジネスチャンスも着実に広がりそうだ。

2015年には1050億円に拡大すると予測

   アップガレージによると2010年の中古カー用品の市場規模は約902億円だった。2012年には960億円、14年には1020億円、15年には1050億円に拡大すると予測している。同社はこうした市場の伸びを背景に中古パーツの売買を手掛ける主力事業「アップガレージ」の拡大戦略を続ける方針だ。グループの小売売上は11年3月期で約135億円。同社はこれを5年後の16年3月期には約2倍の265億円に引き上げる。

   同社は目標を確実に達成するため、直営店とフランチャイズチェーン(FC)店の経営環境の改善に向けた取り組みを進めている。中古パーツの仕入れ支援策はその一環だ。直営店とFC店はこれまで一般ユーザーからの買い取りがメーンだったが、今後はディーラーや整備工場、中古車販売店、板金塗装工場など法人ルートの開拓を本部主導で進める。

   中古パーツの流通量は新品カー用品の売上に左右され、将来の市場動向を見た場合「一般ユーザーからの買い取りは難しくなり、業者同士の奪い合いが激しくなる」(同社)見通しだ。そのせいもあって、未開拓となっている自動車関連事業者へのアプローチを本部主導で強化。直営店とFC店が安定した店舗経営を行うための仕入れルートの拡大も行うことにした。

名称を「オートバックスセコハン市場」に変更

   オートバックスセブンはこれまで「オートバックス走り屋天国セコハン市場」の名称で展開していた中古パーツ事業を刷新した。ブランド名を「オートバックスセコハン市場」に変更。名称のみならず品揃えや店舗外観などを変更した新しいコンセプトの店舗展開を開始した。

   品揃えはモータースポーツ関連商品を中心にしたものから、タイヤやホイール、カーエレクトロニクスなどを主軸にした商品構成に改めた。従来のマニア層をターゲットにした店舗運営を転換、幅広い顧客層の来場が見込める事業にする方針だ。

   オートバックス走り屋天国セコハン市場は2000年6月に1号店をオープン。一時は30店舗を超える店舗網を構築したが、現在は20店舗となっている。今後は既存店の内外装の改装を順次行っていく。

中古パーツと新品パーツを同一店舗で取り扱い

   ジェームスを展開するタクティーは新品のカー用品販売と中古パーツの売買を同じ店舗内で行う新しいコンセプトの店舗展開を始めている。今後は基本的にカーグッズとカーケア、リユースコーナーを同じ売り場に設ける。ユーザーが「車を買うとき」「買い替え(不用)」になったときなど、状況に合ったカー用品とサービスを提供する方針だ。

   少子高齢化や人口減少、若者の車離れなどカー用品業界を取り巻く環境は厳しさを増している。中古カー用品市場もまた同様の環境下に置かれているが、その中で各社はマーケットに合った店作りを進めている。車に関心を持つ消費者が減少する中で、新品と中古品の垣根はなくなっているのかもしれない。

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