大王製紙、創業家と「決別」できるか 子会社の株買い取りに動く

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「息子の問題でなぜ辞めなければならないのか」

   ただ、大王製紙を業界屈指の家庭紙メーカーにのし上げた高雄氏の説得は困難を極めそうだ。高雄氏は、巨額融資問題を調査した特別調査委員会が報告書を発表した10月28日の前日、佐光社長から顧問を辞任するよう迫られ、「息子の問題でなぜ自分が辞めなければならないのか」と激しく反発したという。

   そもそも、佐光社長は長年、高雄氏の薫陶を受け、「意高氏のサポート役として社長に抜擢された『大番頭』」(業界関係者)。高雄氏に引導を渡せるのか、不安視する向きは多い。

   佐光社長は会見でも、

   「創業家の良きところはくみ取り、悪いところは正す」「創業家が将来、復帰する可能性もゼロではない」と、創業家に配慮した発言に終始した。

   創業家が支配する連結子会社の中には、ティッシュペーパーの製造など主力事業を手がける重要な企業も多い。もし創業家と円満解決できず、こうした子会社との関係にひびが入れば、主力事業にも影響しかねない。業界では「創業家の機嫌を損ねないよう、佐光社長も必死なのだろう」(製紙メーカー幹部)との見方が広がっている。

   しかし、創業家への甘い顔ばかりが目立つと、市場で失われた信頼の回復は難しい。創業家に配慮しながら、市場には創業家との決別をアピールする――。佐光社長に課せられた任務は重い。

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