「被害者の安全確保が最優先。注意は逆効果」「繰り返される同じ事件」
12月6日、山下さんらは3女への傷害の被害届を出そうと習志野署を訪れたが、「1週間待ってほしい」と言われた。
12月9日、千葉県警は容疑者を出頭させ話を聞いた。容疑者は、3女への暴力はもうふるわず、連絡も取らない、と話したという。この段階でも県警は逮捕を見送っている。
12月12日(6日から約1週間後)、山下さんらは再度習志野署を訪れ、被害を訴えた。千葉県警は14日に傷害事件として被害届を受理した。
そのわずか2日後の16日夕、2女性殺害事件が長崎県西海市の山下さんの自宅敷地で起きた。翌17日、容疑者が逮捕された。
こうした警察の対応をどう見るのか。
インターネット上では、ツイッターなどで「被害者の安全確保が最優先。注意は逆効果」「繰り返される同じ事件」「どうやって身を守ればよいのか、銃を持てと言うのか!!!」といった反応がみられた。
ストーカー事件に詳しい東京都内の男性弁護士は、「遺族のお気持ちは分かるし、警察をかばう気もないが、今報じられている範囲では、即警察がけしからん、というのは難しいのではないか」と話した。
10月末と12月6日の相談の後、ほどなく本人を出頭させるなどの対応は取っており、「桶川事件とは異なる印象だ」。また、「被害届の1週間先延ばし」についても、逮捕できる証拠がそろっていたのかどうか、などの状況が分からないと評価は難しいと答えた。