わが中神谷南区内で日曜日(11月27日)、除染作業が行われた。区の役員と子供を守る会の役員、住民など40人近くが参加した。通学路を高圧洗浄機で除染し(=写真)、県営住宅集会所・公園周辺の清掃を行った。集会所・公園周辺では前日、業者に委託して剪定・草刈りを実施した。その片付けが主な作業になった。
翌日には、保健委員(私)が事後の線量調査をした。併せて、区長さんの協力を得ながら、マニュアルにしたがって「補助事業完了届」「補助金等実績報告書」「生活空間環境改善事業実施報告書」「生活空間環境改善事業作業報告書」をつくった。基本的には数字を記入するだけだが、計算にうとい人間にはそれがスイスイとはいかない。
二日くらいかけて書類をととのえ、きのう(12月1日)、市役所に提出して全作業を終えた。訂正を指摘されたところがある。2カ所、二本線を引き、数字を書き直した。やはり、事務は苦手だ、である。住民には同じ日、事後調査と10月に行った事前調査の数値を回覧した。
区の新米保健委員として8月に平地区の総会に出席し、県が補助する「線量低減化支援事業」の説明を聴いて以来、4カ月弱。長い取り組みに一区切りがついた。
「傍観者」の記者から「当事者」の市民になって学んだことは、当たり前のことながら住民の考えは一つではない、ということだ。作業中にごみを一カ所に集めすぎるという苦情が出た。自然災害と異なる放射能被害の、底なしの恐ろしさ。その場所を一時立ち入らないようにし、翌日朝、区長さんが役所に電話を入れて、即日、ごみを撤去してもらった。
朝、子どもが集団登校をするための集合場所へ向かうのに、ごみの集積場所のそばを通る。どうしてくれるのだ――保護者の苦情はもっともだ。すぐ撤去するよう役所に連絡する、それまで自衛してほしい、という以外に「解」はなかった。
その延長で思うのだが――。高圧洗浄・剪定・草刈り・コケ除去でそれなりの効果はあった。が、薄く散らばっていたのを集めてしまったり、かたまっていたのを散らしたりしたのではないか、という疑問がぬぐいきれない。
なによりかにより洗浄に使った水は側溝を伝って川へ流れ、やがて海へ至る。「除染」とは言いながら、放射性物質を「移動」させたにすぎないのだ。下流の人間と自然に対してすまない思いを抱きながらの作業となった。
(タカじい)
タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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