共同PR社長が6000万円流用 内部調査委、「モノ言えぬ企業風土」も断罪

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   PR会社大手の共同ピーアール(共同PR、東京都中央区)が2011年12月26日、大橋栄社長が、個人的な借金の穴埋めのために会社の資金を6000万円以上流用していたとする内部調査の結果を発表した。報告書では、外部調査や刑事告発の検討を求めており、企業体質についても「『社長にモノ申すことが憚られる』企業風土」と断罪している。

   共同PRは大橋社長が1964年に創業。PRという考え方を日本に広めたことで知られ、今では、国内の独立系3大PR会社のひとつに数えられる。05年にはPR会社としては初めてジャスダック上場を果たしている。同社の有価証券報告書によると、11年6月30日時点で、大橋社長は持ち株比率20.54%の筆頭株主だ。各界に幅広い人脈を持つことでも知られる。

取引先巻き込んで迂回融資

   その大橋社長をめぐり、不透明な資金の流れが発覚した。2011年12月8日に監査役会に対して行われた内部告発をきっかけに、社外監査役3人と弁護士を中心とする内部調査委員会が12月12日から12月25日にかけて調査を行い、6000万円を超える不正な資金流用が明らかになったのだ。

   同委員会報告書によると、指摘されているルートは大きく2つ。

   一つ目が、A社ルート。大橋社長はS取締役(当時執行役員)に命じて、09年12月21日の取締役会で、発注予定のA社が「年末資金に逼迫している」などとして5565万円を前渡しする議案を提出させ、議案は可決・承認された。ところが、共同PRからA社に振り込まれた代金のうち、5300万円がA社から大橋社長の口座に振り込まれている。大橋社長はこのうち5000万円を、出資先のT社への追加出資またはT社に出資した際の借金返済にあてたとされる。事実上の迂回融資だが、現時点では、金利分を除くと大橋社長からA社に対する返済は完了しているという。

   また、共同PRがA社に対して11年2月28日に「獲得協力費」として315万円を支払っているが、報告書では、これを前出の迂回融資の「金利に相当する『謝礼』と認められる」としている。

   もうひとつがB社ルート。共同PRは、X社に対して月額105万円のコンサルティング料を結ぶ契約をしており、11年3月から11月にかけて計945万円が支払われた。大橋社長は、X社と関係があるB社の社長から個人的に1億6500万円を借り入れており、945万円は、この借金の金利にあてられていたと報告書では指摘している。K取締役は、一連の事情を知りながら、X社との契約を結んだとされる。

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