メジャーリーグ行きを決めるプロ野球選手が続出するなか、野球解説者の江夏豊さん(63)がツイッターで辛らつな言葉を投げかけている。「メジャーでの失敗は、選手として『カス』になったということ」と断じ、メジャーに挑戦することに対する覚悟を求めており、メジャーから日本球界に戻って来てしまうケースを批判している。
2011年秋の日本球界は、青木宣親選手(ヤクルト)、ダルビッシュ有投手(日本ハム)、中島裕之選手(西武)、岩隈久志投手(楽天)、和田毅投手(ソフトバンク)、川崎宗則選手(同)など、メジャーリーグ挑戦を表明する選手が続出している。
メジャー挑戦には退路を断つ覚悟が必要
江夏さんは、このような状況に対して思うところがあるようで、2011年12月25日夕方、
「メジャーリーグに挑戦する選手が、今年は特に多いけど、とりあえずワシの感想をつぶやいとくよ」
と切り出した。
「『夢』だったメジャーリーグ、と言って代理人を通じて、入団交渉するのは、決して悪くないと思うけど、もし失敗した場合だな、『日本のプロ野球に戻ればいいや!』なんて甘い考えがある選手は、やめた方がいいな」
と、メジャー挑戦には退路を断つ覚悟が必要だと力説。
その上で、
「骨をうずめるつもりでいかにゃ。第一日本のプロ野球、そんなに甘くないよ。メジャーでの失敗は、選手として『カス』になったということを、自覚せんといかんな」
と、メジャーでの失敗が致命傷になりかねないと指摘した。
日本球界Uターン組は成績不振
なお、この「カス」という言葉は、単純に「カス」と罵倒する意図だと思われるが、メジャーで燃え尽きて「燃えかす」になってしまうことを指している可能性もないことはない。
一度はメジャーリーグで活躍したものの、最近日本球界に復帰した選手の例としては、松井稼頭央選手(西武→メッツ→ロッキーズ→アストロズ→楽天)や城島健司選手(ソフトバンク→マリナーズ→阪神)が知られているが、両選手とも帰国後は不調が続いている。
その上で江夏さんは、
「日本NPBが3年間は、復帰できないなんていうルールを作ったら、簡単にいく気になるやつが、少なくなるかもな」
と、メジャー挑戦へのハードルを挙げるべきだと提言している。なお、江夏さんは西武を退団した1984年にメジャー挑戦を表明。36歳での挑戦は異例なだけに注目を集めたが、結局はメジャー入りできずに引退している。
江夏さん以外にも、プロ野球選手のメジャー挑戦に批判的な論客として知られるのが、野村克也さんだ。野村さんは、12月上旬に放送されたTBSのスポーツニュースで、
「球団にもお世話になって(いるにもかかわらず)、一人で活躍したような気になって、勝手に日本を捨てて、メジャーに行っちゃう」
と、ダルビッシュ投手らを批判している。