「遠回しに推薦入学か聞かれたよう」
「人事担当者との交流会で聞きますと、優秀な人事マンは学生の出身高校を見ていますね。大学入試は、一発勝負ですから、ラッキー、アンラッキーもあります。それに比べて、出身高校は確かな情報で、名門校なら地元名士や役所幹部などいいOBがたくさんいて、ビジネスの利点になると考えているようですよ」
菅原秀樹さんも、推薦・AO入学や内部進学の学生に、企業は厳しい目を向けていると指摘する。
「厳しい競争を経験しておらず、勉強していないとみられているからです。例えば、慶応幼稚舎からのストレートよりも、地方の名門高校出身者の方が出世すると考えていますよ。幼稚舎なら、入学するときに親の年収とかで決まるとみられていますからね」
雑誌「プレジデントファミリー」の2010年11月1日号によると、大手企業数社の人事担当者に取材すると、高校名まではチェックしていない企業が多数派だった。しかし、大企業の採用戦略立案などを手がける企業の社長や、学生の人気が高い食品大手企業の担当者は、高校名を気にすると答えた。
都内の大学生2人と新入社員3人にJ-CASTニュースが取材すると、企業の採用面接で高校名を聞かれなかったというケースがほとんどだった。しかし、聞かれたケースも2、3あり、ある有名私大4年生男子は、「地銀の面接で文系か理系かや何が得意だったか質問を受けましたが、遠回しに推薦入学かどうかを聞かれていたようにも思えます」と話した。
ただ、企業が採用に当たって高校名を重視しているというデータは、まだないようだ。リクルートやマイナビの広報部に取材すると、こうしたアンケート調査などはしたことがないという。