「10%に上げても社会保障が万全になるわけではない」
「10%への増税では、ほどなく不十分になる」との考えは、マスコミの論調にも見られる。
例えば12月22日付朝刊の朝日新聞社説は、消費税について「税率を10%に上げても社会保障が万全になるわけではない」と指摘している。社会保障の給付は「高齢化などで毎年3兆円ずつ増えていく」ことから、「議論中の消費増税も長い道のりの一里塚にすぎない」と断じている。
一方、消費税引き上げには反対・慎重論があり、民主党内では反対署名活動も始まっている。民主党内の反対論者には、小沢一郎・元代表に近い議員らが多い。
仙谷氏は24日のBS番組の中で、小沢氏らによる反対論について「国民に大変な反発を呼んで選挙に勝てない、と判断しているのではないか」と述べた。
世論調査では、例えば12月26日付の日本経済新聞朝刊によると、「消費税を2010年代半ばまでに段階的に10%にまで引き上げる政府案」について、賛成が38%、反対53%と反対が過半数を占めた。
野田政権は、2011年中をめどに消費税増税の幅や時期を含む「税と社会保障の一体改革」の素案をまとめ、12年3月までに消費税引き上げの関連法案を国会に提出する方針だ。
野田首相は、引き上げ関連法案が成立した後、消費増税を実施する前に民意を問う衆院解散・総選挙をする考えを示している。