赤字垂れ流し整備新幹線にゴーサイン 抵抗しなかった財務省の不可解

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増税反対派の懐柔策なのか

   3区間同時着工も、経済合理性の面から問題が多い。各区間の手前もまだ工事中で、同じ予算をかけるなら、工事中の区間に投入して早く完成させ、少しでも稼ぐのが合理的だ。新区間を着工するにしても、3区間の中でもっとも効果が高い区間から着工するのが筋だが、高速道路や空を含む他の交通インフラとの住み分けを含め、今回、厳しい議論はなかった。

   整備新幹線を巡っては、「本来のブレーキ役も機能しなかった」(与党筋)。ある財務省OBが「従来なら考えられないほど、あっけない決着」と表するように、毎年、新幹線には厳しい態度で臨む同省も、今回は早々に妥協。八ツ場ダムでは最後まで抵抗した前原誠司政調会長も3区間の同時着工に動き、2011年12月15日開かれた民主党政策調査会の会合では「厳しい経済環境を考えれば、今回がラストチャンス」とまで話した。

   消費税引き上げが不可避とされるほど財政状態は厳しく、大震災からの復興財源の確保にも四苦八苦する中での大型公共事業へのゴーサインには、「増税反対派に対して『新幹線を認めるから増税に反対するな』と懐柔したいのではないか」(経済官庁幹部)との声も聞こえる。

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