超円高ユーロ安から、「個人輸入」で海外の高級ブランド品が安く買えると、ネット上で情報交換が盛んになっている。しかし、ニセモノはなお多く、買い方を絞る必要があるというのだ。
「家具とか趣好品 釣り道具 スポーツ用品安すぎワロタンゴwwwwww」「自転車も海外のすげー安いわ」…
「ジョン・ロブ」の革靴が半額以下
これらは、2ちゃんねるで書き込まれている情報の数々だ。「個人輸入の安さは異常」として、書き込みを紹介するまとめブログさえ現れた。
そこでは、8万2000円もする高級釣り具が、輸入代行なら4万8000円、さらに個人輸入をすれば1万6000円で買えるといったケースが書き込まれている。本当かどうか分からない情報ばかりだが、ブランド品などは実際どれだけ安く買えるのだろうか。
輸入コンサルタントでブロガーの掘英郎さんは、例えば、高級ブランドの革靴が個人輸入なら半額以下で買えるケースがあると明かす。
「イギリスの有名ブランド『ジョン・ロブ』の靴は、日本の正規輸入代理店を通じて買えば、20、30万円ぐらいもします。それが、サイズが分かっていれば、個人輸入なら10万円前後で買えるわけです。革靴の場合は関税が30%と高く、最低でも4300円かかるので、高価な靴ほどお買い得になります」
ファッションなら、日本で品薄になっている仏ブランド「モンクレール」の人気ダウンなども狙い目だという。高級釣り具も日本であまり売ってないブランドなら、安く買える場合があるとしている。
ただ、ファッション関係はニセモノが多く、買うなら、海外デパートの公式サイトから買うべきだと説く。
「アメリカのデパート『ノードストローム』などの例が挙げられます。英語でやらないといけませんが、ヤフーやグーグルの無料翻訳を使えば日本語でもできます。その場合、全文を一気に訳すと正確さに欠けるので、一文ずつ訳す方がいいと思います」
ガイガーカウンターは5分の1の価格
このほか、文具などにもお買い得品はあり、掘英郎さんは、英ブランド「ファイロファックス」のシステム手帳もオススメだという。
「日本の代理店を通じて買えば、6万円ぐらいしますが、それが送料や関税込みで2万円もしないで入手できます」。この場合は、デパートでなくても、ブランド公式サイトから直接購入できるそうだ。
掘さんが特にプッシュするのが、原発事故で一躍脚光を浴び、品薄のブランドもみられる放射線量測定のガイガーカウンターだ。
世界でも最も正確だとされる米ブランド「インスペクタープラス」なら、日本で21万円する製品が、米アマゾンのサイトで買うと、送料・関税含めて5分の1の4万円強になる。アマゾンの場合、入力場所が日本語サイトと同じなので、それと比較すれば英語があまりできなくても買えるという。
もっとも、個人輸入で勧められないものもあるとする。それは、自転車やサプリメントなどだ。「イタリアの自転車などは、日本ほどきちんと作っていないので、事故の恐れがあります。サプリは、法に触れるなどして、税関で没収されることも多いようですよ」
手数料は取られるが、ファッションでニセモノや商品が届かないリスクが怖いときなどは、個人輸入代行業者を使うのも手だ。
通販サイト「バイマ」を運営するエニグモでは、世界65か国に日本人の個人バイヤー2万3000人を抱え、信頼できるバイヤーが見つかれば、正規品が安く買える。例えば、モンクレールのレディース用ダウンなら、正規で約16万円のものが送料・関税と手数料5%込みで10万円ほどになる。ファッションは、2012年1月4日から最大70~80%オフになる秋冬物のセールが狙い目だという。会員数はすでに80万人に達し、11年は前年より7割も売り上げが増える見込みだ。