中国国債は本当に大丈夫なのか?
中国国債の購入による円相場への影響について、ある外為アナリストは「ほとんど影響はないだろう」とみている。「中国債を買うために、米国債など他の資産を大量に売ることもないはず。そもそも100億ドル(約7800億円)というと大規模にみえるが、日本の外貨準備からすればわずか1%にも満たない」からだ。
とはいえ、中国国債の購入を不安視する向きもないわけではない。
国際金融アナリストの枝川二郎氏は、「人民元の価値の先行きを考えたうえで投資するのであればよいが、外交上の理由や、まして中国に日本国債を買ってもらっている、そのお返しに買うというのであれば危険だし、やめたほうがいい。相手は中国。ドルやユーロを買うのと、リスクの度合いがまったく違う」と話す。
いまの日本にとって、最大約7800億円の投資金額は決して小さくないだけに、「(運用先としては)なおさら心配」という。
東日本大震災の復興財源を国債の発行や増税で捻出しようというときに、リスクを冒してまで中国国債を買う理由がない。「きちんとした説明がなれば、『購入資金を被災地へ回せ』と、反発が起こっても不思議はない」と指摘する。