日本政府の中国国債大量購入 ドルやユーロとは異なるリスク

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   日本政府が、中国が発行する人民元建て債券(中国国債)を購入することを決めた。外国為替資金特別会計(外為特会)を通じて段階的に購入し、最大100億ドル(約7800億円)相当を投資する。

   一方、中国は日本国債の保有を増やしている。安住淳財務相は「(現状は)片側通行で、双方向通行できるようにすることは一つの考えだ」と、購入に意欲的。野田佳彦首相の初訪中にあわせて、2011年12月25~26日に予定されている日中首脳会談で合意する見通しだ。

約7800億円もの「大規模」投資

   日本が中国国債を購入するのは初めてだ。その狙いには、外貨準備資産の多様化があるとされる。日本は外為特会に11月末時点で1兆3047億6300万ドル(101兆2887億円)の外貨準備高を有する。その大半を米国債で運用しているが、今年は円高進行を抑えるために行った為替介入によって、さらにドル資産が膨らんだ。こうした資産の有効活用があるようだ。

   また、欧州の債務問題に伴い世界経済の先行きに不透明感が高まるなか、日中の経済連携を強化する狙いもある。

   中国にとっては、日本が外貨準備に人民元建ての資産を加えることで、人民元の国際的な地位向上のメリットが見込める。中国は短期国債を中心に日本国債を買い進めていることから、日本が「人民元の保有による関係強化は、外交上も必要だろうと思っている」(安住財務相)と説明する。

   政府は中国との間で進めている戦略的互恵関係の一環として、通貨や金融・経済面での連携強化を検討しており、日中首脳会談では中国国債を購入のほか、国際協力銀行(JBIC)の資金を活用した日中共同の環境投資ファンドの設立も合意できるよう最終調整している。

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