2009年にスーパーコンピューター「京(けい)」の開発を途中で離脱した問題で日本電気(NEC)は、運用を担う理化学研究所に2億円を支払うことなどで調停が成立したと、2011年12月22日に発表した。
NECと理研が東京地裁の調停勧告に従うことで決着した。2億円の支払いのほか、NECが保有する「京」の開発プロジェクト関係の知的財産権を理研ほかに無償許諾することも含まれる。
京は06年、毎秒1京回の計算能力を目標に開発を開始。NECと同社の協力先の日立製作所が離脱した後は、富士通が単独で開発を続けた。事業費は約1100億円。
10年9月から計算機本体の設置が始まり、今年6月の世界一を奪取したときは6万8544個の中央演算装置(CPU)で毎秒8162兆回の計算速度を実現。8月末までに8万8128個のCPUの設置を終了し、毎秒1京510兆回の計算速度に達している。