「世界にもまれで、過去に例がない」
今回のトラブルについて専門家は、NHKのニュース番組で「世界的にもまれで、過去に例がない」と指摘した。被害を受けた利用者の中には、個人情報の漏えいを心配する声も上がっている。
ドコモは12月21日に記者会見を開き、辻村清行副社長が「事象としては重たいもの」として謝罪した。原因として挙げたのが、スマホ利用者の急増だ。国内のスマホ市場は成長を続けており、ドコモでも「spモード」の契約者数が2011年11月で約609万人に達した。
実は「spモード」は8月にも、通信機器の故障による接続障害が起きている。この時も、障害発生後にスマホからサーバーに向けて一斉かつ大量の接続要求が送られたが、サーバーが負荷に耐えきれず、回復までに数時間を要した。
スマホ人気はいまだ衰えず、メーカーや携帯電話会社も続々と新型モデルを市場に投入している。しかし今回の事故で、サーバーを中心とした通信インフラの能力に疑問符がつけられた。単なる接続障害ではなく、メールアドレスという「個人情報」が漏れたのも深刻だ。ドコモ広報は、今後サーバーの増強を含めた設備能力の見直しを図るというが、今後も予想されるスマホ利用者の増加に間に合うのか、大きな課題を抱えてしまった。