高橋洋一の民主党ウォッチ 
橋下市長が浮き彫りにする 民主と自民の官僚依存度

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   橋下徹大阪市長が2泊3日で永田町を訪問した。形式的には市長就任の挨拶だったが、各党首脳が歓待して事実上橋下詣でだった。

   消費税その他で野田政権は行き詰まっている。消費税増税案の国会提出はできるだろうが、国会で増税案が審議される2012年3月以降の政治情勢は予断を許さない。いつなんどき解散・総選挙があっても不思議ではない。

大阪都構想への賛否めぐる虚実

   その前に、民主党も自民党も代表、総裁の交代があるのかどうか。永田町ではそんな空気をみんな感じているので、ダブル選挙で大勝した橋下氏は今では「神」だ。政治家は選挙の実績が何よりモノをいう。橋下氏の掲げる大阪都構想の実現には法改正が必要だ。そのための協力要請には各党とも表面的には従わざるをえない。

   一歩抜け出しているのは早くから大阪維新の会との協力・連携関係にあるみんなの党だ。みんなの党は、11年12月20日に橋下市長の表敬後、地方自治法改正案要綱を公表した。橋下氏もみんなの党の案の作成に自らが関わっていることをテレビで明かしている。

   それに比べて、他党は橋下氏に一応協力姿勢を示しながら、水面下では別の動きもある。民主党は消極的だ。小沢一郎氏は積極的であるが、逆にいえば今の民主党執行部は乗り気でないと言うことだ。今の民主党は官僚依存なので、橋下氏の掲げる地方分権には及び腰になる。中央省庁の地方出先機関の地方移管もまったく手つかずだ。

   国の出先機関廃止を検討している内閣府の「アクション・プラン推進委員会」が12月19日開かれたが、国土交通省の地方整備局などを廃止した後の代替広域組織について、国交省などは知事以外の独立した長を置く案を示し国の関与を残したい意向だ。関西広域連合の長である井戸敏三・兵庫県知事は「最悪の道州制だ」と述べ、厳しく批判した。

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