どこまで本気か、野田政権の「原発輸出」 社説は「推進」「慎重」に分かれる

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原発メーカーは世界受注競争中

   読売新聞グループの渡辺恒雄会長は朝日新聞記事11月28日付のインタビューで

「日本が原発をやめても中国はこれから200基建設していく。…万一事故でも起こしたら放射能は偏西風に乗って日本に降り注ぐ……日本の技術力によってリスクを最小限に抑えた原発を中国に輸出すればいい」

と話している。これは推進派の一つの典型的な考え方だ。

   原発メーカーの期待は大きい。ヨルダンでは、三菱重工業がロシア勢やカナダ勢と受注競争をしている。ヨルダン政府は来年1~3月に優先交渉権を一つに絞るとしており、今回の承認はギリギリのタイミングだった。リトアニアの原発建設では、日立製作所が7月に優先交渉権を獲得。ベトナムも日本の原発導入を決め、東芝、日立、三菱重工の3社が受注を目指しており、日本政府の支援は不可欠だ。

   だが、日本として明確な政府方針は定まっていない。「電力の50%超を原発で賄う」とのエネルギー政策の抜本的な見直しを進めており、結論が出るのは来年夏。だ。

   そうした事情を反映し、協定の採決では民主党内から造反が相次いだ。衆院本会議では、公明、共産、社民、みんなの各党が反対したほか、民主党の京野公子氏(秋田3区)、小林正枝氏(比例東海)が反対し、石原洋三郎氏(福島1区)ら15人が途中退席するなどして棄権。参院本会議でも福島選出議員ら民主党の12人が棄権した。

   主要紙の論調も、日経や産経、読売が「原発輸出へ国会の承認を急げ」(12月3日読売社説)、「安全と原発輸出 『脱原発』にとらわれるな」(11月7日産経社説)など積極的なのに対し、「原子力協定承認 拙速にすぎはしないか」(毎日12月10日社説)、「原発政策 国内外で使い分けるな」(東京12月3日社説)、「ベトナム支援 原発輸出は考え直せ」(朝日11月2日社説)と慎重論もあり、両論に分裂している。

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