光学機器メーカーのオリンパスが増資の検討に入っていることが、2011年12月19日にわかった。損失隠しに伴う決算訂正で、資本が大きく目減りしたことに対応する。
オリンパスの純資産(9月末時点)は、3月末に比べて6割減の459億円。自己資本比率は11%から4.5%まで減少したことで、資本増強が喫緊の経営課題となっている。20日付の日本経済新聞は、優先株式の発行を軸に1000億円規模の資金調達を検討していると伝えている。
これに対して、オリンパス株を約5%保有する米投資ファンド、サウスイースタン・アセット・マネジメントは、「現経営陣による資本増強策は不要であり、承諾できない」との声明を、12月19日に発表した。増資が「株式価値の希薄化につながる」ことを懸念しており、「資本増強策は新経営陣によって行われるべき」としている。
なお、一連の増資報道についてオリンパスは20日、「当社は現在、経営改革に向けてあらゆる選択肢を検討しているが、現時点で決定している事実はない」とコメントしている。