12年は日本航空が再上場する見通し
また、「島根銀行」(松江市)といった金融機関、北九州市に本社を置く格安航空の「スターフライヤー」など、これまで余り見られなかった顔ぶれも登場。上場を支援する大手証券会社の担当者は「今年は食品のカルビーなどを除いて大型案件が少なく、 例年は多い小売り・外食も少なかった半面、業種のバラエティーには富んでいた」と語る。
上場は2~3年かけて準備するため、ある程度は社数の先行きが見通せる。来年は日本航空の再上場といった大型案件も控えており、今年よりは10社以上増えそう、と業界では言われている。
ただ、欧州債務不安などもあって夏以降、株価が低迷し売買高も低調なことから、ここへきて上場を中止する動きが相 次いでいる。今年の大型案件の一つとされた、資産運用などを担う「日興アセットマネジメント」(東京都港区)は12月2日、月内を予定していた上場を延期すると発表した。IT支援サービスの「キューアンドエー」(東京都渋谷区)も11月下旬、「最近の株式市場の動向を踏まえて」(同社)当面は上場を延期すると発表。上場延期は東日本大震災直後の3件 以来。資金調達の不調を心配したもので、見通しの通り来年の新規上場数が増えるか、不安も残る。