橋下市長ニコニコ初登庁「船長になった気分」 職員に「面従腹背」大歓迎

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   大阪府知事から「転身」した橋下徹・大阪市長は、正式に就任した2011年12月19日の記者会見で、二重行政のムダをなくすと訴えている「大阪都構想」や市政改革への意欲を示した。

   教育や生活保護制度の改革について熱く語り、さらには市の幹部職員の人事異動や「カジノ構想」、原発問題に国政への不満にまで話が及ぶ「テンコ盛り」の会見だったが、終始にこやかに応じた。

区長公募、やる気のある人はどんどんチャレンジ

   大阪市役所の正面玄関に、19日午前9時前に到着した橋下市長は市職員ら約500人の出迎えを受け、ホールで女性職員から花束を受け取ると笑顔を見せた。

   初登庁の気持ちを橋下市長は、「知事就任日(4年前)は大海原にゴムボートで放り出された気分だったが、今回は全然違う。自分が船長になった気分で(市役所に)入れた」と語った。

   午前11時すぎ、大阪市役所5階の市政記者クラブに集まった約100人の報道陣に、橋下市長は市役所のイメージを聞かれ、「豪華ですね。府庁がボロすぎた」と笑わせた。

   市職員の印象については、「優秀だ。人間だからいろいろ考えはあると思う。橋下の考えが気に入らないと思って、面従腹背でも大歓迎だ。新聞やテレビの人だって、会社に帰れば社長に面従腹背になる場合もあるでしょ。ただし、ダブル選で民意の一定の方向性が出たので、面従腹背でもそれに向かってやっていけばいい」と述べた。

   「目玉」の区長公募制では、「任期4年のうちに実績を残せないと罷免もありうる。これは地方公務員制度への挑戦でもある。論文考査も僕が考えた。応募する区の課題を考えてもらうし、区長マニフェストも作ってもらう。大企業の役員になれるチャンスを全国に開いたつもりなので、やる気のある人はどんどんチャレンジしてほしい」と訴えた。

   橋下市長は、区長に権限を下ろすことで4年間の任期を「統治機構改革」に捧げる意向を強調している。

   「市民のみなさんにあらかじめ言っておく。区の行事が山ほどきているが、出ている時間がない。『橋下は全然、区の行事に顔を出さない。けしからん』と思うかもしれないが、それで結構だ。行事に行くのが僕の仕事とは思っていない。きめ細かな行政をするには確かにミニ集会などに出ることも必要だが、僕の仕事は統治機構を変えることだ。住民ニーズの把握は区長にやってもらう」との持論を展開した。

市長は「トータルマネージメント」

   大きな課題の一つである生活保護について聞かれると、「本当にサポートしないといけない人がいれば、数値目標と関係なくやらないといけない」と話した。その一方で、「今までとやり方を変える」とも断言。

   「市長はそこまでやれないので、区長がやる仕組みに変える。(市長は)どこにどういう人が住んでいるとかは細部まで把握できない。だから区長に責任と権限を負ってもらう。僕は市長としてトータルマネージメント、国に対する折衝とかに力を入れ、日々のことは区長を中心にやっていく」とも話した。

   また、任期中に国政に転換することははっきりと否定。「ただ、大阪のかたちを変える(大阪都構想)にあたって国が言うことを聞かないなら、これまでにも言っているように国会議員を擁立する」と、国との対決姿勢を鮮明にした。

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