ネットでは菅氏擁護論も
ツイッターをみると、「こういう人間を上司に持つと部下はたまらんね」などと、現地の士気をそいだとして菅氏に批判的な意見や、「(イラ菅の菅氏だけに)やっぱり」と冷めた見方が並んでいる。
一方で菅氏擁護論も少なくない。
「怒鳴ったお陰でってこともあるだろう」「少なくともあの現状で怒鳴ってくれる総理の方が好感持てる」「怒鳴ることも大事」
といった具合だ。
擁護論の背景には、3月15日に菅氏が東電本店に乗り込み怒鳴ったとされる件が関係しているようだ。菅氏の行動が現場の士気を下げた、と批判の声が出る一方、「東電が全面撤退を申し出」たため、菅氏が「撤退はあり得ない」と怒鳴って必死に抵抗した、と評価する声もあるためだ。
「全面撤退申し出」については、東電は一貫して「誤解だ」と否定している。一方、菅氏や枝野幸男前官房長官は、辞任直後の報道各社のインタビューで「全面撤退の申し出が東電からあった」との受け止め方を披露した。
いずれにせよ、原発事故当時の「政府現地対策本部長」が怒鳴り散らす首相に対して「指導者の資質を考えざるを得なかった」と感じた意味は、小さくはなさそうだ。
政府の事故調査・検証委員会は12月26日、中間報告をまとめる予定で、最終報告は12年夏ごろとみられている。「菅首相が怒鳴った」功罪についても、検証されるのだろうか。