西日本で「節電の冬」が本格化する。関西電力は2011年12月19日から、企業や家庭に前年同月比10%以上の節電の要請に入った。年末年始を除く平日の9時~21時が対象で、2012年3月23日までの予定で実施する。
節電では鉄道の間引き運転や工場の生産調整は求めないが、電力使用率(供給力に対する需要の割合)が97%を超える事態が予想される場合には自治体や国とともに追加の節電対策を促す。
関電は保有する原子力発電所11基のうち、10基が定期検査と国の震災対策で運転を停止しており、残る高浜原発3号機(福井県高浜町)も2012年2月20日に定期点検で止まる予定。2月は最大8%の電力不足を見込んでいる。
また、九州電力は12月26日から、5%以上の節電を要請する。12年2月3日までの平日(12月29日から1月4日を除く)、8~21時に実施する。
当初19日から要請する予定だったが玄海原発4号機(佐賀県玄海町)の定期点検入りを12月中旬から法定期限いっぱいの25日に延長し、時期をずらした。玄海4号機の停止で九電は原発の全6基が停止し、12年1月に供給余力を示す予備率が0.8%まで落ち込む見通し。