血糖値を上げて脳を活性化する効果も
ボヤージュグループ(旧ECナビ)でも、今年から「キットカット オトナの甘さ」を使ったビズチョコを導入している。
社員同士で手書きのカードを交換し、カードを多くもらった人を表彰する「サンクスカード制度」を3年前から実施してきたが、休憩時間にチョコレート系のお菓子を食べる人が多いことから、ビズチョコを使った方法に変えた。
発売元のネスレも、「ビズチョコを『身近な人を応援する』『感謝の気持ちを示す』『お疲れ様とねぎらう』といった場面で使ってもらいたい」という。
「甘いものを食べると血糖値が上がり、脳が活性化する」という側面もあるようだ。医学博士の米山公啓氏は『できる人の脳が冴える30の習慣』(中経出版)の中で、甘いお菓子は眠気を覚まし、脳をリラックスさせて思考や発言に弾みをつける効果があると述べている。
各メーカーも、オフィス向けのチョコの充実に余念がない。江崎グリコでは食べる時間に合わせた3種類の「オフィスブレイク」シリーズを開発、仕事中でも手を汚さずに食べられる明治の「きのこの山」「たけのこの里」も新しい味の商品を出している。キットカットも1930年代のイギリスで「働きながら食べやすいお菓子」として開発されたものだ。
前出の野本さんは、
「人間のモチベーションは、仕事の内容や報酬だけでなく、ちょっとした人間関係で大きく変わったりすることもあります。マネジメントに苦労している管理職は、部下一人ひとりで異なる『モチベーションのツボ』を理解し、それを刺激する声のかけ方をすることで、ずいぶん楽になります。お菓子はそのツールとしてとても便利ですよ」
と指摘する。特に今どきの若い人たちにとっては、職場の人間関係が良好であることが、やる気や生産性に大きな影響を与える傾向にあるという。仕事の場でお菓子なんて、と眉をひそめるのはもう古い考えかもしれない。