回遊魚や底物は、放射性物質の影響
「ブリやマダラなどの回遊魚は、冬場に県境を越えて南下することもあります。また、放射性物質は重く、底に沈むので、マダラのような底物は影響を受けやすいかもしれません。高次捕食者の場合は、体内に濃縮している可能性もあります」
放射性物質としては、ストロンチウムの影響も心配されている。これについて、水産庁の漁場資源課ではこう言う
「500ベクレルのセシウムには、ストロンチウムが10分の1から100分の1ほど含まれているとされています。それで、セシウムの検査で判断しているわけです。実際、ストロンチウムの検査には1か月ほどかかり、鮮魚ですので結果が出てからでは意味がありません」
ただ、魚種を指定した検査はしており、問題になったケースはないという。
実は、グリーンピースによる抜き打ち調査結果は、チラシの裏面にあったもので、表面には、スーパーの放射能対策を独自に採点したランキングが掲げられている。11月24日に発表したもので、評価の高いものからイオン、イトーヨーカドー、ダイエー、ユニー、西友の順になっていた。
チラシは、最も評価が低かった西友に考え直してもらおうと、2011年11月30日に西友本社に近い東京・北区のJR赤羽駅で700部ほど配布したものだという。
ちなみに、イオンは、独自に放射線量検査をして、線量が検出された魚は原則販売を見合わせる措置をこの秋から行っている。一方、西友は、線量検査はしていないものの、12月下旬から漁獲水域のラベル表示を関東・東北エリアの店舗で行うとしている。