厚生労働省の調査で、牛の肝臓(レバー)の内部から食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌「O157」が検出されたことが、2011年12月15日分かった。これにより、これまで飲食店に「自粛」を求めていた牛の生レバーの提供がいよいよ「禁止」になる可能性が出てきた。
O157の検出は初
厚労省は、ことし4月に起きた焼き肉チェーン店の「ユッケ集団食中毒事件」を受けて生レバーの安全性について検討してきたが、8月から9月にかけて全国の食肉衛生検査所で約150頭の牛について調査したところ、2頭の牛の肝臓の内部からO157が見つかった。同省は、20日の審議会で結果を報告し、生レバーの提供を禁止するかどうかを検討するという。
これまで、牛の肝臓内部にカンビロバクターが存在することは分かっており、腸管出血性大腸菌による食中毒も報告されていたが、それは腸に存在する菌が解体時などに肝臓の表面に付着したものと考えられていた。肝臓内部からO157が検出されたのはこれが初めてだ。
ことし7月から厚労省は、食中毒のリスクを考え飲食店に対し生レバーの提供自粛要請を出してきた。しかしながら、行政指導には罰則はないため「レバ刺し」をメニューにかかげる店はまだまだ多く、「レバ刺し名物店」は今回の報道に戸惑いを隠せない。